9月3日午後11時頃。台風11号は多良間島の東部あたりに上陸したっぽい。島全体としても台風の目にすっぽり入り、午後10時には風速18.4m/s、翌午前0時には風速22.0m/sだったのに、午後11時の風速は3.4m/s(ほぼ無風)。風が弱かったのは午後11時〜11時半のわずか30分程度でしたが、アメダスがその様子を如実に物語っています。
<9/3-4 多良間島アメダス/10分毎(降水量は1時間毎)>
日時 | 気温 | 降水量 | 風向 | 風速 |
00:20 | 27.7度 | 5.5mm | 西南西 | 22.0m/s |
00:10 | 27.5度 | 2.0mm | 西 | 14.9m/s |
24:00 | 27.7度 | 0.5mm | 西 | 14.6m/s |
23:50 | 27.9度 | 0.0mm | 西 | 12.7m/s |
23:40 | 27.9度 | 0.0mm | 西 | 8.1m/s |
23:30 | 27.7度 | 0.0mm | 西 | 5.7m/s |
23:20 | 27.8度 | 0.5mm | 北北西 | 4.3m/s |
23:10 | 27.9度 | 3.0mm | 北北西 | 3.4m/s |
23:00 | 27.9度 | 4.5mm | 北 | 4.1m/s |
22:50 | 27.8度 | 6.5mm | 北 | 6.9m/s |
22:40 | 27.4度 | 8.5mm | 北北東 | 12.0m/s |
22:30 | 27.3度 | 10.5mm | 北 | 18.4m/s |
でも多良間島の最大瞬間風速は台風の目が通過後の午前1時過ぎに記録した「35.0m/s」が最大と、先日の大東島の「48.4m/s」よりはるかに小さめ。そもそも沖縄では最大瞬間風速40m/sを越えるか否かがポイントで、それを超えると物理的な被害が出やすいものの、下回ると被害は少なめの傾向(50m/sを超えると確実な被害発生・60m/sを超えると災害レベル)。
停電も多良間島でこそ島の8割がしましたが、あくまで500世帯中の400世帯での話。世帯数が多い宮古島でもこの先増えるかもしれませんが、台風通過直後でも3000世帯超と島の1割ちょっと程度の停電にしかなっていません。しかもほとんどが発電所から遠い郊外エリアなので、島の中心街は全く停電していないのかもしれませんね。
なのでまだ風が強くなるかもしれませんが、今のところは正直なところ台風11号は「大したこと無いレベル」という認識。おそらく大東島近海通過時は猛烈な暴風を伴う「風台風」だったものが、南下中に台風12号のタマゴ「98W」を取り込んでからは「雨台風」に変わったみたいですね。明らかにその前後で雨雲群の集まり方が変わっていました。
(ビフォー:中心のみ雨雲群 ⇔ アフター:広範囲に雨雲群)
その分、雨の範囲も降水量も大きくなって、特に台風の目から離れている沖縄本島では、朝の段階で降り始めから200mmもの雨になっています。ちなみに直撃した多良間島では60mm程度、周辺の宮古・八重山の離島でも100mmを超えている場所はありません。しかも風も多良間島より沖縄本島近海の方が記録上強かったみたいで、渡嘉敷島では最大瞬間風速「39.0m/s」。他にも久米島で「32.9m/s」と、中心に近い宮古島(30m/s未満)よりも風が強かったみたいです。
やっぱり定説の「台風東側(進行方向東側)は荒れる」は今回も正しかったようですね。
ただ台風は中心通過後の後半の方が雨も風も強まる傾向なので、宮古・八重山の離島はさらなる暴風雨になる可能性もあります。停電も中心通過後の方が発生しやすいので、油断せずに完全に影響がなくなるまで「忍耐」です。様子見のためとかいって安易にドアや窓を開けるのは絶対に止めましょう(それが台風時の怪我の原因大多数)。
まぁ沖縄は今日1日耐えればどうにかなりそうな感じですが、問題は沖縄通過後でしょうね。先の話のように「台風東側は猛烈に荒れる」定説が今回も的中したので、九州方面に台風が進んでいると言うことは「本土全域で大荒れになる可能性大」ということ。
ただ大変申し訳ありませんが、本土接近時の台風詳細情報をチェックする予定はありませんので、あとは「台風実体験がない本土の気象予報士殿の狂言w」を参考程度に聞いてあげてやってくださいませ…(冒頭の詳細進路図も沖縄・奄美海域からフレームアウト後は更新しません)。
とにもかくにも沖縄は災害レベルにはならずに終わりそうな台風11号なのでした。
今日は1日雨雲レーダーを見ながら外出チャンスをうかがいたいと思います(那覇など本島は徐々に落ち着きそうな気がするので)。