ページの先頭へ△

2015年06月18日

奄美大島の気になるニュース。でも沖縄のあの離島では懸念されること。

衝撃的というほどでもないですが、改めてニュースで取り上げられると重く感じますね。

昨日のニュースで「奄美の象徴「白い砂浜」に異変

というものがありましたが、その「奄美の象徴」か否かは別にして、離島の砂浜の異変について綴られていました。

つまりのところ、奄美大島の浜が温暖化や開発などの影響によって砂浜が削られて消失しつつあるという話。しかも今回はその砂が流れたのか否かわかりませんが、消失しかけている砂浜がある場所とは岬1つ隔てたところに新たに砂浜が出現したとかしないとか。

詳細を話しますと奄美大島の中心街「名瀬」からもアクセスしやすい場所にある「大浜海浜公園」の砂浜が激減し砂岩ご露出しているとのこと。逆に大浜海浜公園とは岬一つ離れた加工を埋め立てて作られた平松町(朝仁と大浜の間の集落)の海への接続部分に砂浜が出現したらしいです。

つまり大浜海浜公園の砂が潮流の変化で流されて岬向こうの平松町や小宿に流れ着いたという憶測。

詳細はわかりませんが、ただ現状を見る限りはあながち間違っていないようで、温暖化や人災によって珊瑚が減少したことによる潮流の変化に加えて、開発によってさらに潮流が変化した結果なのかもしません。

今回は奄美大島の話ですが、このニュースを聞いて真っ先に頭に思い浮かんだ島があります。

おおよその方は想像がつくかと思いますが、今年1月に海に巨大な構築物を完成させたあの島です。


宮古島

その巨大な構築部はもちろん「伊良部大橋


まだ工事中も含めるとまだ数年しか経過していないので伊良部大橋による影響はまだ出ていないと思いますが、ただ既に来間大橋開通時にいろいろな話をささやかれていましたね。っていうか私自身も宮古島の某ビーチの砂が年々削られてきているのを目の当たりにしているので、まさに今回のニュースと同じような光景を身をもって体験しているので、この島が真っ先に思い浮かんだ次第です。

その来間大橋開通による大きな影響を受けているのが、宮古島だけじゃなく沖縄、いや中には「東洋一」とまで称するあの超メジャーなビーチ「与那覇前浜」です。


以前は前浜と東急リゾートとの間に海浜公園的な空間があって遊歩道がウインディ前浜からホテルまで整備されていて、以前は普通に散歩が出来ましたが現在は砂浜の流出によってその遊歩道部分が浸食され、今は遊歩道の一部が崩壊しかけていたと思います。

そもそもその遊歩道もビーチのすぐ近くにあったわけじゃ無く、以前はビーチまで草むらがそれなりに広がっていたのですが、今はこの遊歩道が砂浜にほぼ直結。

つまり緑地帯が既に全て浸食されたのが現在の前浜ってことになります。

逆に砂浜自体はその緑地帯の浸食もあって以前よりかなり広くなっていますが、これは緑地帯(陸地)が浸食された結果であってあまり好ましいことではありません。しかもその砂の流出で前浜の海は以前以上に遠浅になっていたと思います。

島の人の話によるとこの来間大橋開通によって宮古島南部の潮の流れが大きく変わったということなので、まさに前浜は来間大橋のすぐ近くだけあってその影響も顕著なのかもしれません。もちろん潮の流れの変化だけじゃ無く、ここ数年の巨大台風による影響もあるかと思いますが、橋開通による影響は確実にあると思います。

ちなみに来間大橋の開通が1992年。緑地帯の浸食が顕著になったのが宮古島に甚大な被害をもたらした台風が直撃した2003年以降ぐらいから。

約10年。

伊良部大橋開通が今年なので来間島同様の影響と考えるとこの10年間でどのような影響があるか心配になります。しかも伊良部大橋は来間大橋の2倍以上の長さがあり、海中道路などの埋め立ても含めると来間大橋の4倍近い。

もちろん島と島の距離も橋の長さに比例していますので、来間島と宮古島よりも今回の伊良部島との間の方が長いので潮流もそんなに急激ではないと思いますが、いかんせんあれだけの巨大なものを今まで何も無かったところに作るとなると潮流が変わらない訳が無い。

最初に現れるのが漁業への影響で、まだ1月末に開通したばかりで1年を経過していないので通年でどうなのかわかりませんが、増えるなり減るなりに何かしらの変化が出てきそうです。

そして気になる砂浜の浸食。

橋が架かっている海峡に面する砂浜だけが影響を受けるわけじゃなく、先の奄美の時も岬一つ先まで影響があったといいますので、伊良部大橋の場合は橋の規模が大きいのでもしかすると宮古島の2大ビーチの「与那覇前浜」と「砂山ビーチ」まで影響がある可能性も。

また一番気になるのがサニツ浜がある与那覇湾で、まさにこの湾の出口の先に伊良部大橋がありますので一番影響を受けそうな気がします。干潟になることでも有名な与那覇湾なのでその生態系への影響は確実にありそう・・・

伊良部島側も伊良部大橋の北側は岩場が多いのですぐに影響は無さそうですが、南側は橋のたもとの「長山浜」への影響は既に直接的な橋の建設でありますし、その先のヴィラブリゾート近辺の砂浜も何かしら影響を受けそうですし、そしてさらにその先にある伊良部島ナンバーワンといっても過言じゃ無い「渡口の浜」への影響が一番心配です。特にこの渡口の浜はもともと潮流が入りやすいビーチなので現状でも影響を受けやすいところに伊良部大橋開通で潮の流れがどう変わっているのやら・・・


今回の奄美大島の砂浜浸食のニュースは他人事ではなく沖縄としてもきちんと受け止めて欲しい次第です。

でも一度造った橋などの造作物を環境への悪影響があるといって撤去することはあり得ませんので、今回の奄美でも人的に砂を運んだりして対応していますが、沖縄のしかも離島のビーチでも今後はそういうことが必要になるかもしれませんね。

ちなみにその手の架橋が無い八重山は今のところ大きな変化があるビーチはそれほど顕著じゃ無いかもしれませんが、ただ石垣市街に造られた広大な埋め立て地による影響は今後出てきそうですね・・・


沖縄って島なので平地が少ないからすぐに海を埋め立てるんですよね。そして現在、最も気になるのが工事進行中の那覇空港第2滑走路によるものすごい面積の埋め立て。まぁ現状の空港も埋め立て部分がありますが、今回の第2はほぼ全て埋め立て地になるので潮の流れへの影響は確実。もしかすると毎年冬に到来するザトウクジラにも影響するかもしれませんね。ホエールウォッチングが出来なくなる(鯨が見れなくなる)とか。。。

まぁ沖縄本島の場合はほとんどが人工ビーチなので潮の流れの変化による影響以前の問題ですし流されればまた砂を持ってくるだけなのかと思いますが、それでもそろそろ、っていうかいい加減に沖縄は自然を壊すばかりではなく持続させる手段を講じるべきだと思うのですが、土建依存沖縄なのでなかなかね・・・

是非、今回のこの奄美のニュースを沖縄も真摯に受け止めて欲しい次第です。


奄美の砂浜浸食のニュースはこちら


(コメント不可)
posted by 離島ドットコム管理人 at 2015/06/18-08:14 | 沖縄ニュース
▼スポンサードリンク
ページの先頭へ▲